AWSの運用において知っておくべきこと(その2)

AWSの運用において知っておくべきこと(その2)

前回は、EC2のリタイア対応の話でしたが、今回はSES(Simple Email Service)のお話です。

SESのバウンス率上昇放置による送信機能停止

AWSにはSES(Simple Email Service)というEメール送信サービスがあります。マネージドサービスとして使えるので、自力でメールサーバーを立てて、SMTPプロセスを動かして、それをメンテして..といったことが不要になるわけです。

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メール中心でないシステムでも、カスタマーにお知らせのメールを送ったりするのに便利ですね。

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バウンス率とは?

使われていないアカウントにメールを送信すると、英語のメールが返ってきますよね。あれをSESが受けた場合に、「メールがバウンスした」とみなされます。

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何が問題なのか

このバウンス率の上昇を放置しておき概ね10%を超えると、バウンスの原因を調査して解決策を提示してくれとの内容のアラートメールが来ます。「レビュー中」というステータスになります。これを無視しておくと、メール送信機能を停止したというアラートメールが来て、本当にSESでのメール送信が止められてしまいます。

メールに依存しているシステムでは、実質システム停止になります。

レビュー中となった場合どうすれば良いか

まず、バウンス率上昇の原因を調査します。そして解決策をまとめます。

それらの情報をもとに、AWS SESチームという部署に、AWSアカウントと紐付いている送信者からレビュー依頼を送ります。レビューが通れば、バウンス率計算の期間がリセットされて、バウンス率も下がるはずです。

僕が送ったときは、日本語で送信して英語で返ってきたので、最初から英語で送信した方が良いと思います(何かの誤解があってはいけないので..)

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予防策は

CludWatchでバウンス率の監視をして、4〜5%を超えるとアラートが来るようにしておきましょう。

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メール機能に高く依存しているシステムなら、余力があればSESとは別に予備としてEC2でメールサーバーを建てておくくらいのことはした方が良いかもしれません。これ単一障害点になりますよね(オンプレだと予備のメールサーバーは必ずある)